フォースモジュレーション (FM) AFM プローブ
このカテゴリのAFMプローブは、コンタクトモードプローブとノンコンタクトモードプローブの中間の特性を持っています。中間的なばね定数 数N/mであるため、これらのAFMプローブは、コンタクトモードとノンコンタクトモードまたはタッピングモードの両方のモードで使用できます。主な応用分野は、サンプルの局所的な剛性測定ですが、比較的柔らかい材料表面形状測定を行うソフトタッピングモードAFMにも使用されます。
AFMを使うことで、AFM探針‐サンプル間の力を測定することができます。ほとんどすべてのAFMにフォースディスタンスカーブに基づく手法が実装されています。通常フォーススペクトロスコピーと呼ばれるこの方法では、xyスキャンを止めてAFMプローブを垂直に動作させ、その時のカンチレバーの応答を記録します。通常、フォースディスタンスカーブでは、表面から指定した距離にあるAFM探針をアクチュエータで下に移動、サンプル表面に接触させる動作を行います。曲線には、凝着、剛性(弾性係数)、破砕などの材料特性に関する多くの情報が含まれていますが、データの抽出には、複雑なモデルの適用と、測定に使用されるAFMプローブのAFM探針形状および機械的特性に関する詳細な知識を必要とします。
最先端のAFM機器では、同じ方法に基づいた表面マッピング機能を備えています。フォースディスタンスカーブは、各マッピングポイントで自動的に実行されます。また、さらに特定のパラメータを自動抽出し、サンプルの局所的な機械的特性の違いを表示する機能を持つ場合があります。通常、アプローチ-リトラクトサイクルは等速動作によって行われますが、AFMカンチレバー共振周波数より下のハーモニック運動によっても行うことができます。その場合は測定結果を線形動作の挙動に換算する必要があります。
サンプルの機械的特性を視覚化する別の方法に、フォースモジュレーションモードがあります。これは、スキャン中AFM探針-サンプルに働く力が一定に保たれるコンタクトモードフィードバックスキームに基づいています。フィードバックループは、AFMカンチレバーのたわみの変化を検出し、z位置を調整して、AFMカンチレバーのたわみを維持し、AFM探針サンプルの力を一定に保ちます。さらにAFMカンチレバーにZモジュレーションを印加します。これにより、AFM探針-サンプルには、直流(DC)信号と交流(AC)信号を合成した力が加わることになります。たわみ信号DC成分は、コンタクトモードのフィードバックと表面形状の測定に使われます。たわみ信号のAC成分は、測定しているサンプルの局所的な剛性情報に対応し、サンプル表面内のさまざまな機械的特性の推定に役立ちます。
これらの方法で測定するほとんどのサンプルでは、力の感度と安定性を両立させる中間的なばね定数を持つフォースモジュレーションプローブを選択することが重要となります。ばね定数は、表面トポグラフィの変形を可能にする程度に硬く、かつ十分な力の感度を得る程度に柔らかくなければなりません。このカテゴリー内のAFMプローブは、最初にお試しいただきたいプローブです。
ただし、非常に柔らかいサンプル材料の場合は、ばね定数が低いAFMカンチレバー(コンタクトモードプローブ)を使用する必要があり、非常に硬いサンプルの場合は、ばね定数が大きいAFMプローブが必要です。後者の場合、測定中のAFM探針の摩耗や破損を防ぐために、硬いAFM探針を備えたAFMプローブを使用する必要があります(耐摩耗性AFMプローブを参照)。
これらの手法は、AFM探針の機能化(修飾)と組み合わさせて分子レベルでの特定の相互作用への知見を得る測定にも使用されます。抗原抗体結合などがその例です。この場合、AFM探針は一方の分子でコーティングされ、これと相互作用を持つもう一方の分子をサンプル表面に固定します。その後、フォーススペクトロスコピーを適用して、破断特性や結合特性を明らかにすることができます。 AFM探針の機能化は実験に応じて調整が必要で、また、通常、長時間測定できるほどは安定しません。したがって、AFM探針の機能化は通常、実験を実行する前にユーザー自身によって十分検討する必要があります。
フォースモジュレーションAFMプローブは、特定の探針コーティングを行うことで、電気力顕微鏡(EFM)、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM)、磁気力顕微鏡(MFM)などの他のアプリケーションモードのベースとしても使われています。AFM探針側に金属被膜を備えたAFMプローブは、さまざまなメーカーから提供されています。 (導電性AFMプローブ、磁性AFMプローブを参照)。
Force ModulationModeおよびForceSpectroscopy用のAFMプローブには、さまざまなAFM探針形状とコーティングオプションがあります。 AFM探針の形状は、一般に、達成可能な横方向の解像度と剛性の間のトレードオフの関係にありますので、慎重に選択する必要があります。 AFM探針-サンプルの力は、通常、形状測定を行っている場合よりも高く、一方で実験中のAFM探針の安定性は、信頼できる結果を得るために重要です。例えば、特定の柔らかい材料には高アスペクト比のAFM探針、中程度の硬さのサンプルには低アスペクト比のAFM探針、硬いサンプルには耐摩耗性に優れたAFM探針(耐摩耗性AFMプローブを参照)など、測定対象に応じて判断します。
フォースモジュレーションAFMプローブは、非常に柔軟な製品であり基本的な形状イメージングを超えたアプリケーションモードのベースとなっています。
AFMティップ形状: 視認
AFMティップ形状: 標準
AFMティップ形状: アロー
AFMティップ形状: 標準
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AFMティップ形状: ティップビュー
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AFMティップ形状: 標準
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AFMティップ形状: various
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